[ガーナ再訪記43]Africa-Japan.com(1) ~私の中でインターネットとアフリカがつながった

Africa-Japan.comを復活させる。

長年の悲願である。

Africa-Japan.comを思い出すたびに、当時のいろいろな思いがこみ上げてくる。

「熱狂」「甘酸っぱさ」「勘違い」「夢・希望」「妥協」「情熱」「失恋」「若さ」「失敗」「出会い」「諦め」「挫折」

いったい、あれは何だったのか?

1. サマーハットにて

アディドメ高校の屋外職員室(通称サマーハット)は、授業の合間を過ごす先生方の憩いの場であった。私も授業の準備やテストの採点で、授業のない時間帯はずっとココで作業をしていた。

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<協力隊時代>屋外職員室、通称「サマーハット」。

サマーハットでは先生方による政治問題や経済問題等の活発な議論(井戸端会議)が繰り広げられ、私もしばしば参戦していた。

私が得意?としていた話題は科学技術であった。協力隊に参加する前の研究室のテーマは「ロボット、人工知能、医療」。2016年の技術トレンドのど真ん中、20年前のテーマとしては早すぎたが、先生方は興味をもって聞いてくれていた。

またインターネットの可能性についても説明しようと試みていた。

工業高校の教師をしていた親父の影響で小学校低学年からパソコン(NEC PC-8001)を触っていて小学校高学年の時には簡単なプログラミングはできていた。音響カプラを使ったパソコン通信を経て、大学4年生(1994年)には大学研究室のサーバーでホームページを開設していた。日本で最も早くホームページが開設されたのが1992年ということで早い時期からその可能性の存在は知っていた(現存するホームページの残骸、1996年のもの)。Netscapeすら存在しない時代である。

さて20年前のアディドメ。インターネットはおろか電話すらない。電話をかけるためには隣街まで行かなければならない。トンカツを知らない人にかつ丼を説明するようなものである。

しかしサマーハットの住人に一人だけ電子メールの存在を知っている先生が居た。将来のビジネスパートナーになるGD氏だ。首都アクラで働いている兄弟から電子メールを含むインターネットの可能性を聞いていたGD氏、私の話を興味深く聞いてくれていた。

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<協力隊時代>サマーハットにて。新聞を回し読みするのも日課。

サマーハットでの議論、佳境に入ると必ず経済状況への嘆きと政治不信の話になる。その根本には教員の給与の低さがある。多くの先生は教員をしながらも農業等を兼業していた。

日本で良い仕事を紹介してくれないか?

当時、幾度となく聞かれた。当然、世間知らずの私が仕事なんて紹介できるわけがない。当時の世界第二位の経済大国から来た人間、全くの役立たずであった。

2. 「インターネット」と「アフリカ」

1998年、協力隊の任期が終わろうかというあの日のことはよく覚えている。毎日同じように繰り返されるサマーハットでの井戸端会議の中で私に衝撃が走った。

私の中で「インターネット」と「アフリカ」がつながったのだ。

「啓示」と言っても良いかもしれない。日々、大なり小なりアイデアは思い浮かぶ。しかし、このアイデアだけは「絶対に自分自身がやるべきこと」という使命感に似た思いとともやってきた。

インターネットとアフリカというアイデア、いろいろと可能性はある。先生方の「仕事はないか」との要望にも応えられる。

資金力ゼロ、在庫リスク回避といった条件の下、二つの事業プランを考えた。一つは英文添削サービス、もう一つは情報提供サービスである。

3. 事業プラン

まずは英文添削サービス

英語が公用語のガーナ、これを活用しない手はない。今でこそネット教育が一般的になってきているが、20年前にそんな話は聞いたことがなかった。これを国境を越えてできれば所得格差を上手く利用できる。在庫リスクもない。

そして情報提供サービス

協力隊に参加する前は早稲田大学の「千里眼」という検索サイトを利用していた。Yahoo!はあったかもしれないがGoogleなど存在しなかった。情報を整理して提供することはビジネスになる、ということは直観的に理解していた。これをアフリカに特化してやれば差別化ができるのではないか、と考えたのである。

4. 帰国、そして創業

思いついたは良いが、私には協力隊の活動がある。ルーチン業務の他に奨学金制度運営や問題集作成などを行っていたため帰国直前まで協力隊活動フル操業だった。

従って事業準備は帰国してからだ。

身の丈知らずの若輩者による、山あり谷ありのAfrica-Japan.comがスタートしたのである。

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