私が主宰しているキューブサークルのくるくる会。ガーナ再訪時点で北京で47回と東京で10回の集まりを開催し、日本人と中国人を中心に280名の会員を有する。なんで、そのようなサークルを作っているか? 「いろいろな人と知り合うため」「人に喜んでもらうため」「自分のキューブのスキルを自慢するため」等とそれなりの理由は付けられるが、どれもシックリこない。
ただ最近、中国のメディア(CRI)に取り上げられたり、知らない人から声をかけられたりと、思わぬ広がりを見せ始めた。こういう経験はくるくる会を始める前は想定しておらず、実際に始めてみないと分らないことである。
くるくる会、やっていてよかった。分かったフリして何もやらない、というのは人生三周目くらいから始めればよい。人生を繰り返せるのであれば。
くるくる会 in アフリカ、まずはキューブ30個とくるくる会特性マニュアル(英語)30部をデフィメ村に寄贈する。
そしてキューブの説明。そもそもデフィメ村ではキューブの認知度が著しく低く、初めてキューブを触った人たちばかりだ。キューブとはバラバラになった状態から6面をそろえるパズルだ、というところから説明を始める。
教え始めて直ぐに気づいた。デフィメ村の人はキューブの構造や動きを理解しようとする。
キューブを触ったことがある人なら分ると思うが、キューブのあるパーツを動かすと、キューブ全体の三分の一のパーツが同時に動いてしまう。「そろっているパーツを動かさずに、そろっていないパーツを操作する」ということを言い換えれば、「動かない三分の二のパーツを特定し、動くであろう三分の一を使ってそろえていく」ということを理解しなければならない。
日本人や中国人にこの部分を繰り返し説明しても、理解できない人はできないし、理解しようとしない。デフィメ村の人たちは何も説明がない状態から自分たちでこの構造や動きを把握していた。
キューブは難しい。とんでもなく難しい。「キューブは簡単」と言い切れる人が世の中に存在するとは思えない。私自身、初めて六面そろえるのにとてつもない苦労をしたし、今でも一週間キューブを触らないと手順を忘れてしまう。この難しさがキューブのなかなか流行しない原因の一つだ。
しかし言い換えれば、参入障壁が高く上位入賞のチャンスは他の競技よりも高い。しかもキューブの公式世界団体であるWorld Cube Associationのデータベースによれば、過去にアフリカで公式競技が開催された国は、南アフリカ、チュニジア、アルジェリア、モロッコの四カ国だけである。いわゆるサブサハラでは開催された実績はない。すなわち、ガーナで公式協議が開催されすればデフィメ村の住人も十分に上位が狙えるのである!
2024年のオリンピックにルービックキューブ発祥の地であるハンガリーが候補地として立候補しているとのことである。キューブが公式競技になる可能性はゼロではない。もしかしたらオリンピック選手がデフィメ村から現れるかもしれない!
再訪から帰ってきてすぐにE氏から連絡があった。「デフィメ村のEちゃんとM君がマニュアルなしで六面そろえられるようになった」とのこと。うれしい限りである。
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