協力隊時代、運動不足解消のためカヌーを購入/建造した。300US$位だったと思う。週末の午後、穏やかなボルタ川でゆっくりカヌーを漕ぎながら風を感じると何とも言えない穏やかな気持ちになる。
なおアフリカの風土病のマラリアの媒体の蚊の生息地帯は「川べり」であるが「川の中心」まで来れば蚊は皆無である。台風の中心のようなものである。私が発見した蚊を気にせずに日光浴ができる場所である。
ある日、E氏が「カヌーを貸してくれないか、川の渡しのビジネスをしたい」と相談される。月に数回しか利用しておらず、メンテナンスもしないといけなかったので「ジャンジャン使ってくれ」と同意する。
ビジネスといっても小さなカヌーであり一回に運べるのは5人程度。片道30分間カヌーを漕ぎ続けても大した額にはならない。カヌーを漕いだことがある人ならわかると思うが人を乗せたカヌーを漕ぐのはとんでもない体力を使う。しかし私が協力隊を終え帰国した後の数年間、E氏は真面目にカヌーを漕ぎ続け、看護師となるための学費をそのカヌー事業で稼ぎ切った。
E氏が看護師の大学に行った後も彼の兄弟が事業を引き継いでいたが、カヌー自体が劣化してしまったことと、E氏の成功をみた者が同様の事業を始めて競争が激しくなった、という理由で事業を始めてから7年くらいで止めてしまった。
そして今回、E氏から「カヌー(手漕ぎ)ではなくボート(スクリューエンジン付き)にすれば色々なことができる。川の渡しの他、〇〇や△△もある。」との提案を受ける。
面白い!
将来の見通しや具体的な計画があるわけではない。ムダ金にならないという根拠も何もない。でも感覚的にワクワクする話だ。そして彼と共同でボートを購入/建造することにした。
購入したボートは25人乗り。エンジンは中古のヤマハ。長く使えるようにきっちりと防水塗装を施す。E氏に気をつかってもらい船名は「Boss Yuichi Hamada」号。
ボート事業(川の渡し事業)をはじめて数か月、中古のヤマハエンジン以外は順調とのこと。今回、直接そのヤマハエンジンを見てきたが、トラブル&修理の連続で相当傷んでいた。乗船した際も一度ではフライホイールは回らず、二度三度とリコイルロープを引っ張らなければならなかった。
過去に乗客を待たせたり、川の途中で止まってしまったこともあったとのこと。このままでは乗客の満足度は下がってしまう。そして何より「Boss Yuichi Hamada」の冠をつけたボートがそんな状態であることは許されない。「Boss Yuichi Hamada」のボートには新品のヤマハのエンジンが良く似合う。
安くはない。ただ私には10年以上使っているゴルフのクラブセットを買い替えようと貯めていたお金がある。
新品のヤマハのエンジンを買おう(ゴルフクラブセットを諦めよう)
迷いなく判断した。コンペでドラコンやベスグロを諦めればいいだけの話である。
11月には新しいエンジンを付けた「Boss Yuichi Hamada」号がボルタ川を疾走するはずである。
コメント
[…] Next→[ガーナ再訪記13]ボートプロジェクト ~ゴルフクラブがエンジンに化けた […]
[…] 技能が身につく進路、特に医療系を強く勧めた。私の話を真面目に聞いてくれたE氏、カヌーを漕ぎ続け看護の大学に進み、今は立派な看護師、しかも手術補助のような特殊な技能を有す […]
[…] 13.ボートプロジェクト […]