指パッチン(フィンガースナップ)は親指に引っ掛けていた中指を勢いよく手のひらに当てることにより音を出す。ここでいう親指と中指は当然自分自身の親指と中指だ。
しかしガーナでは違う。自分の中指を他人の親指に引っ掛ける。
この指パッチン、ガーナでは握手の最後にする習慣がある。綺麗な音が出れば出るほど、気持ちよく握手を終えることができる。
一回のみ指パッチンすることもあれば、二回や三回の時もある。これは事前に「指パッチンを〇回やろう」と打ち合わせをしているわけではなく、握手をしている短い時間の間に、暗黙のコミュニケーションがなされ、何回指パッチンするかの情報交換が行われる。
ある時は
「早めの三発にしようぜ」
とか、別の時は
「久しぶりに会ったから、大きな一発だな」
といった同意が握手をしている短い時間の中で非言語コミュニケーションでなされる。日本でいう阿吽の呼吸にかなり近い。
また指が「パチン」とならなかった場合、キチンとなるまで何回も繰り返されることがある。この指パッチンが握手をしている者同士の波長が合っているか否か(息が合っているか否か)の試金石となる。
ガーナで暮らしていくためには、この指パッチン握手をマスターすることは必須である。
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